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別棟増築では建築基準法が重要!増築の種類や実施判断ポイントを解説

2023年03月19日

普段の住環境とは異なる「離れ」に憧れを抱く方は多いでしょう。
また、ライフステージの変化などから、新たに部屋を確保する必要のある方もいるかもしれません。

実際に離れや別棟を増築しようとすると、それが実現可能なのか考えなければならないポイントがあります。

本記事では、増築を検討中の方へ向けて、増築の種類や法律による決まりなどをご紹介します。
これを読めば、自宅敷地にも離れや別棟の増築が可能か、ポイントがわかるようになるでしょう。

別棟増築では建築基準法が重要!増築の種類や実施判断ポイントを解説

増築は大きく2つに分類される

増築とは、すでに建築物が建っている敷地に新たに建物を建てることです。
増築において、床面積が増えるかどうかはあまり重要ではありません。
そのため、階段や塀などの床面積とは関係のない部分を増築した場合、「0㎡増築」と呼ばれる場合もあります。

増築は大きく2つに分類されます。
それぞれについて、詳しくご紹介していきましょう。

1.別棟増築|離れた位置に建築物を建てる

別棟増築とは、既存の建築物とは離れた場所に「用途上不可分」の建物を新たに建てるのを指します。

用途上不可分とは、複数ある建物の用途が互いに関連付いており、別の敷地には分割できない建築物のことです。
敷地の用途を決定するメインの建築物と、これに関連する建築物とから構成されます。

つまり別棟増築の場合、既存の建物と用途が同じであるか、関連した用途でなければ建築ができないのです。

2.同一棟増築|既存建築に新築を接続する

同一棟増築とは、既存の建物に新しく建物を接続するといった形の増築方法です。
エキスパンションジョイント型と構造一体型の2種類の接続方法があります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。

型名 エキスパンションジョイント型 構造一体型
特徴 分離した建物をつなぎ合わせる方法。

つなぎ合わせて「1つの建物」となっても構造体はそれぞれ分離している。

各構造体が一体化し一つになるように接続する方法。

設計するためには高度な法律知識と設計技術が必要となる。

別棟増築するうえで押さえておくべき建築基準法の決まり

別棟増築の場合、同一棟増築とは異なり2つの建物が敷地内に存在することとなります。
そこで重要なのが、建築基準法です。
別棟増築を検討していても、建築物の内容によっては増築が許されない場合もあります。
ここでは、別棟増築するうえで押さえておくべきポイントをご紹介します。

1つの敷地には1つの建築物が基本

建築基準法では、原則1つの敷地に1つの建築物しか建てられない決まりがあります。
敷地の広さに余裕があるからといって、そこに何でも建ててよいわけではありません。
思い描く増築計画が、同じ敷地に立てられるか判断するために大切なポイントとなるため、この原則を基本として覚えておきましょう。

用途上不可分であるか

増築分類の説明でもお伝えしましたが、別棟増築における最大の判断ポイントは用途上不可分かどうかです。

その決め手となるのは、トイレ・浴室・キッチンの3つです。
これらは「住宅を定義する3点セット」と呼ばれています。
この3点セットがそろっている場合、住宅として扱われて用途上可分とみなされ、別棟を建てられません。

しかしこの3点セットが満たされていなければ、用途上不可分として扱われて同じ敷地内に別棟の建築が可能です。
場合によっては、トイレ、キッチンだけでも住宅としてみなされる場合があります。

最終的に用途上可分か用途上不可分か判断するのは、行政機関との協議を通して行われます。
事前にしっかりと確認しておくと安心です。

別棟増築申請で用途上可分と判断されたらできる2つの対策

別棟を増築するうえでのポイントは押さえられたでしょうか。
次に、別棟増築の申請が通らなかった場合の対処方法についてご紹介します。
建築基準法にのっとり計画しても用途可分と判断された場合には、参考にしてください。

1.既存敷地分割で可能になる場合も

まず一つ目は、敷地を分割する方法です。
もともとの敷地を「既存住宅の敷地」と「増築する建物の敷地」の2つに分けるのです。
これにより、別棟増築の申請が許可される場合があります。

しかし敷地を分割する場合、また別に考慮しなければならない点が出てきます。
敷地分割して増築する際、それぞれの敷地が、容積率・建ぺい率などの集団規定を満たしていなければなりません。

新たに発生する関連規定を満たしているか確認してから、増築の確認申請を進めましょう。

2.増築申請が不要な場合も

二つ目は、増築申請が不要な建物にプランを変更する方法です。
増築の条件によっては、別棟増築の申請が不要になる場合もあります。

増築を考えている敷地に防火地域の指定がなく、増築予定建物の面積が10㎡以下であれば、別棟増築の確認申請が不要となります。
しかし確認申請を行わない増築の際には、別途押さえておかなければならないポイントがあるため、自己判断せずに事前に条件や内容を細かく確認しておきましょう。

まとめ

ライフステージの変化によるスペースの確保や趣味やくつろぎの場として、離れや別棟を増築をする場合、建築基準法が大きく関わってきます。
増築の中でも特に別棟増築の場合は、別棟の用途や機能によっては申請が下りない場合もあります。

増築検討中の方は、事前にクリアすべき条件やポイントを理解しておくことが重要です。
増築を前向きに進めていきたい方は、増築計画や費用など、ぜひお気軽にご相談ください。