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カーポート増築の悩みを解決!建築確認申請や安く増築する方法も!
2023年03月10日
カーポートを増築したいけれど、法律的にいろいろ面倒なのでは?と思っている方は多いでしょう。
確かに、建築確認申請や容積率と建ぺい率、固定資産税などが絡んでくる場合もあります。
この記事は、カーポート増築に対する法的な問題を網羅しています。
併せて、費用相場と費用を抑える方法も案内しているので、ぜひご覧ください。
カーポートの増築って建築確認申請しなきゃいけない?
柱と屋根だけのカーポートですが、定義上は建築物であり、後付けのカーポートは増築とみなされます。
けれども、建築確認申請が必要かどうかはカーポートの大きさや、各自治体の規定次第です。
ここでは、カーポートの建築確認申請の要否について案内します。
カーポートの増築で建築確認申請が必要なケース
建築基準法第二条一項によると、建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根および柱、もしくは壁を有するもの」と定義されています。
したがって、柱の基礎を固定し屋根のあるカーポートは建築物です。
建築物であるカーポートは、基本的に建築確認申請が必要になります。
特に、防火地域・準防火地域での設置、もしくは設置面積が10平方メートルを超える場合は必須です。
カーポートの増築で建築確認申請が不要のケース
カーポートの建築確認申請には、緩和措置も設けられています。
その一つが、屋根の廂からの1mの減算です。
これにより、1台用のほとんどのカーポートは建築確認申請が不要となります。
また、農村部など都市計画区域外の場合、小規模な建築物は建築確認申請が不要とされています。
ただし、その基準は2025年の建築基準法改正によって変わるので、念のため、お住まいの自治体で確認した方がよいでしょう。
カーポート増築で建築確認申請する際のチェックポイント
カーポートの増築で建築確認申請する場合、壁面線や外壁後退に注意しなければなりません。
壁面線とは道路からの距離であり、外壁後退とは隣接地との距離です。
どちらも建築基準法に基づき規定されています。
壁面線は、地区計画の制限の中で設定されているので、各自治体への確認が必要です。
一方、外壁後退は、隣地との関係になります。
敷地ギリギリに設置する際は、必ず隣地の所有者に許可を取りましょう。
カーポートの増築前に容積率と建ぺい率もチェックしておこう
カーポートを増築する前に、建ぺい率と容積率もチェックしておかなければなりません。建ぺい率とは「敷地面積に対する建築物全体の面積」であり、容積率とは「敷地面積に対する延床面積」をいいます。
建ぺい率も容積率も居住地域によって異なるので、自治体での確認が必要です。
いずれもオーバーしたら、確認申請が通りません。
カーポート増築で固定資産税はどうなるの?
固定資産税は家屋を対象に課税されるものであり、カーポートは家屋でないため、固定資産税は発生しません。
家屋としての認定は1月1日時点で、下記の要件を満たした建築物に限られます。
1.定着性(基礎による定着)
2.外気遮風性(屋根と三方向以上の壁)
3.用途性(居住・作業・貯蔵が可能か)
一般的なカーポートは壁がないので課税対象となりませんが、ウッドデッキ付きなど特殊形状のカーポートは確認が必要です。
カーポート増築にかかるコストとは?
カーポート増築の、おおよその費用相場は1台用で15~40万円です。
本体価格10万円~に設置工賃5~10万円が見込まれます。
以下は種類別の本体参考価格です。
カーポート種類 | 本体価格 |
1台用 | 10万円~ |
2台用 | 20万円~ |
3台用 | 40万円~ |
1台用(デザイン性の優れた商品) | 40万円~ |
1台用(耐積雪・耐風圧性の高い商品) | 30万円~ |
2台用は1台用の倍で20万円~となりますが、3台用以上となると間口への強度が必要なため、倍以上の価格になります。
したがって、設置条件によっては、3台用や4台用より、2台用+1台用、2台用+2台用とした方が安価になるケースもあります。
カーポート増築のコストをできるだけ抑える方法とは?
カーポート増築の費用を抑えるために、複数業者への相見積もりは外せない要素です。
また、視点を変えた次のような方法もあります。
・ホームセンターに丸投げ
・ソーラーカーポートにしてトータルコストで考える
・DIYで作る
ここでは、相見積もりと合わせた4つのコストカットの方法をご案内します。
ホームセンターに丸投げする
ホームセンターのオリジナルカーポートはかなり安く設定され、工事費込みでの表示なので、丸投げしやすいメリットがあります。
以下が主要ホームセンター4社の価格表です。
ホームセンター | 1台用カーポート価格(本体価格+標準工事費) |
コーナン | 111,300円~ |
カインズ | 104,800円~ |
コメリ | 104,800円~ |
ダイキ | 123,984円~ |
オリジナルブランドといっても、国内メーカーによる製造なので安心です。
工事費は条件により異なりますが、込みでのこの価格は垂涎ものでしょう。
ソーラーカーポートにしてトータルコストで考える
長期的な視野に立ってコストカットを考えると、ソーラーカーポートも選択肢の一つです。
初期投資が1台用(1.7kw)で100万円~と、かなり高めですが、電気代高騰に対する節電対策になり、売電収益を得られるメリットがあります。
また、充電スタンドを設置すれば自宅でEV車の充電も可能です。
加えて、災害への備えにもなるなど、初期投資以外のメリットは計り知れません。
相見積もりを取る
コストカットの基本ともいうべき方法が相見積もりです。
基本料金は各社独自の設定ですから、消費者は他社との比較でしか相場を見極めできません。
業者としても、比較提示された他社の価格より低く設定する可能性もあります。
ホームセンターに丸投げするにせよ、ソーラーカーポートにせよ、必ず、複数の見積もりを依頼しましょう。
DIYでカーポートを増築しよう
とっておきのコストカットがDIYによるカーポート設営です。
ホームセンターなどでそれぞれの部材を購入して作る方法もありますが、すべての部材をキットとして郵送してもらい、必要に応じて設置支援を依頼する方法もあります。
また、主要メーカーによる本体キットのみの販売もあり、選択肢は豊富です。
DIY増築の場合、強度や安全面への配慮など、素人には難しい問題も出てきます。
すぐに壊れるようなカーポートでは、かえってコスト高です。
おざなりに作るくらいなら、初めから業者に依頼した方がよいでしょう。
わからない点はメーカーや専門業者に相談し、必要に応じて手伝ってもらうなど、慎重に進めましょう。
まとめ
カーポートを増築する場合、地域における建ぺい率と容積率を踏まえ、建築確認申請が必要かどうかを、必ず自治体で確認しましょう。
固定資産税がかからないので初期投資がすべて、安価に増築できるに越したことはありません。
けれども、場合によってはソーラーカーポートとしての売電収入も視野に入れておくとよいでしょう。
カーポート増築には、多様な選択肢があります。