お役立ちコラム

column

パネル工法とは?在来工法との違いやメリット・デメリットを解説

2023年11月30日

注文住宅を建てる場合、パネル工法と従来工法という2つの建築方法があります。
どちらを選択するか迷う方もいるでしょう。

今回は、パネル工法に焦点を当て、特徴やメリット・デメリットを紹介します。
また、従来工法とパネル工法の良いとこ取りと言われる在来軸組パネル工法についても紹介するので参考にしてください。

パネル工法とは?在来工法との違いやメリット・デメリットを解説

パネル工法とはどのような建築方法?

パネル工法とは、プレハブ工法の一種であらかじめ工場で加工された床や壁などのパネルを現場で組立てる工法です。
梁や柱ではなく、壁で屋根を支える壁式工法であり、日本の伝統的な在来工法と比べて耐震度があがるといったメリットがあります。

すでに工場でパネルがある程度加工されているため、現場では建材を図ったり切ったりする必要はありません。
施工図に従ってパネルを組み立てるだけで家が建ちます。
また、工期が短くてすむため、同じ坪数やデザインでも他の工法に比べて費用を抑えられます。

その一方で、売りに出された時点でデザインが決まっており、施工主の希望で間取りを大幅に変えるのが難しいといったデメリットもあります。

在来工法とはどのような建築方法?

在来工法とは、木造軸組工法とも呼ばれる柱と梁で屋根を家を支える構造です。
基礎を造り、柱を立てて梁をあげ屋根を作ってから柱の間に壁を作っていきます。
柱と梁で家を支えるため、ドアや窓といった開口部がを大きく取れ、とれて間取りの自由度も高めです。
日本の伝統的なふすまを外せば家全体が大きな1つの部屋になる家といえば、イメージしやすいでしょう。

在来工法は増改築しやすく間取りの自由度も高いメリットがある一方、工事現場で柱や梁を削るといった作業を行なうため、工期が長くなりがちです。
また、壁に比べると柱は面積が狭いので耐震強度はパネル工法よりも低いめです。
このほか、パネル工法に比べると開口部が大きな分、断熱も弱い場合もあります。

パネル工法のメリット・デメリット

ここでは、パネル工法のメリット・デメリットをもう少し詳しく紹介します。
パネル工法で家の建築を検討している方は、参考にしてください。

パネル工法メリット

パネル工法のメリットには以下のようなものがあげられます。

・工期が短い
・価格が安い
・耐震性が高い
・機密性が高い

パネル工法最大のメリットは、工期が短く価格が安く済む点と、機密性が高い点です。
エアコンが必須家電となった現在は、室内で適温になった空気が外に逃げ出さないように機密性の高い家が好まれます。
また、機密性が高い家は光熱費も節約できるため、家を建てるときだけでなく建てた後も生活費を抑えられるでしょう。

家を建てる費用を抑えられれば、その分室内の設備にお金がかけられます。グレードが高い設備は機能が多いだけなく耐久性能も高いため、メンテナンスの頻度も少なくて済むでしょう。

パネル工法のデメリット

一方、パネル工法には以下のようなデメリットもあります。

・間取りの自由度が低い
・窓やドアを大きく取りにくい
・部屋数を増やす、減らすといったリフォームがしにくい

パネル工法最大の難点は、間取りの自由度が低いことです。
建材をあらかじめ組立てるまでの段階まで工場で加工して出荷するため、細かい調整ができないケースも多いです。
また、配管の位置なども決まっているため、家を建てる環境や土地の位置などによっては微妙に暮らしにくい家になる可能性があります。

また、壁で家を支えているので日本の住宅に多い壁一面が窓といったデザインもしにくく、壁を壊して部屋をつなげるといったリフォームも難しいでしょう。
家が建っている環境によっては、気密性が高いとカビが発生しやすくなる恐れもあります。

パネル工法か在来工法か迷ったら?

パネル工法か在来工法かで迷ったら、自分が建てたい家を明確にイメージしてみましょう。
価格を抑えて早く家を建てたい場合は、パネル工法がおすすめです。
家そのものより、キッチンやお風呂といった設備にお金をかけたい場合も適しています。
また、断熱性と耐震性が高い家を建てたい場合もパネル工法は適しているでしょう。

一方、間取りの自由度が高い家を作りたい場合や、窓やドアを大きく取りたい場合は、在来工法が適しています。
また、将来的に部屋数を減らすなど大幅なリフォームを検討している場合も在来工法のほうが選択肢が多くなります。

新しいスタンダード在来軸組パネル工法

近年は、在来工法とパネル工法のいいとこ取りをした、在来軸組パネル工法という方法もあります。
この工法は、縦横の軸組に構造用合板を組み込んで作ります。
パネル工法に柱と梁をつけた工法といえば分かりやすいでしょう。

在来軸組パネル工法だと、気密性や耐震性が高く間取りが自由な家を建てられます。
壁を壊しても梁と柱があるので、強度が落ちることはありません。
パネル工法が在来工法かで迷っている場合は、第三の方法として選択肢にいれてみましょう。

まとめ

今回はパネル工法の特徴や在来工法との違いについて解説しました。
パネル工法は耐震性・断熱性が高いというメリットがある一方、自由度が低いといったデメリットもあります。

パネル工法と在来工法のどちらで家を建てようか迷った場合は、自分がどのような家を建てたいのか、10年後の家族構成はどうなっているのかなどをよく考えたうえで決断しましょう。